採択教科書は東京書籍「新しい道徳」
8月9日(水)に開催された教育委員会で、来年度から区立小学校で使用する「特別の教科 道徳」の教科書が採択されました。採択教科書は東京書籍「新しい道徳」となりました。
今回の教科書採択において、検定合格した道徳教科書は8社66点ありました。ところが、その中には多くの区民や全国の教育団体から、このまま採択され子どもたちの手に渡ることに強い懸念が示されているものがありました。
「国旗・国歌」偏重、戦前の「修身」を彷彿 教育の政治的中立を侵すとの指摘も...
特に教育出版の教科書は、他社とは大きく異なる異様な内容・表現が含まれています。「国旗・国歌」が他社と比べても異常に大きく偏った取り上げ方をしています。「君が代」の歌詞の説明が「日本の平和が長く続くようにとの願いだ」と虚偽の説明をし、君が代斉唱時の起立・礼の行動まで写真入りで指示しています。
さらに、子どもたちの行為、行動を型にはめる規制・強制が至る所に強く出ています。「どれが正しいおじぎの仕方か」など、戦前の修身と同じようなおじぎをさせる「しつけ」「礼儀」の教材が多く取り入れられています。
その他、掲載する必然性の無い安倍首相の写真をあえて載せるなど、教育の政治的中立を侵す内容となっています。
5年生の教材「下町ボブスレー」では、「ポーズを決める安倍首しょう」として安倍首相の写真をあえて掲載。現役政治家の教科書掲載の制限を定める「義務教育諸学校教科用図書検定基準」にも明白に反する。
道徳の教科化は憲法に逆行
民主主義社会の道徳は、個人の尊厳と人権を互いに尊重することを基礎に置くもので、上から「こうあるべき」等と押し付けられるものではありません。道徳教育の押し付けは、憲法の定める思想良心の自由を侵すことにほかなりません。
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