10月18日、東京外かく環状道路(外環道)トンネル工事現場直上における陥没事故と地下巨大空洞の発見について、12月18日、NEXCO東日本は、トンネル工事が陥没の原因であることを認め、被害の賠償に応じることを明らかにしました。
資産価値下落等への補償を示さず
事業者は家屋被害等への補償を示したものの、資産価値下落への対応を明言していません。近隣住民からは、陥没事故や地下空洞の発見により「家の資産価値」に与える影響を不安視する声が非常に多く出されています。
陥没等が発生する危険エリアとなれば、不動産の売却すら困難になることも予想されます。事業者の責任で補償を徹底すべきです。
メカニズム特定には至らず...
現時点では、陥没や地中空洞のメカニズムの特定には至っていません。一方、小泉淳東京外環トンネル施工等検討委員会有識者委員長は「掘ってみなければわからない」「地盤が悪い」などの発言を行なっています。特殊な地盤を理由とする開き直りのような姿勢は許されません。
特殊な地盤であれば事前調査の上で対策が取られるべきであり、大深度地下使用を過信し徹底した調査も行なわないまま掘進を強行した事業者、工事の危険性を軽視し事業を認可した国の責任は重大です。
調布市の住民説明会資料(詳細はトンネル施工等検討委員会 有識者委員会より)
日経新聞が衛星データを解析 地盤沈下と隆起も明らかに...
日本経済新聞による衛星データの解析では、大深度地下トンネル工事の直後、調布市の住宅街で2~3センチメートル程度の沈下と隆起が発生したことが明らかになりました(
2020年12月18日付)。
■大深度地下法は完全に破綻
大深度地下使用により「地上には影響はない」とする工事で、地上への酸欠気泡噴出、騒音・振動と家屋損傷、液状化等の地盤変位、そして遂に人命に関わりかねない重大な陥没事故が起きました。さらには、シールドマシンの通過により地盤沈下・隆起も発生する状況です。
住民の同意を得ずに大深度地下を使用可能とする大深度地下法の破綻は明らかです。大深度地下法が破綻している以上、外環道工事を中止し、事業の見直し・廃止を早急に行なうこと、大深度地下法の違憲性を認め廃止することが必要です。
12月25日、外環訴訟原告団は「東京外環道都市計画事業延伸差止訴訟」を提訴します。引き続き、訴訟へのご支援をお願い致します。
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