議会史上、前例の無い事態...
12月22日(木)緊急に第二回臨時会が開会しました。12月7日に閉会した第四回定例会(最終日)の本会議における議決の際、地方自治法117条に抵触する瑕疵が発生していたことが判明、違法議決の状態となりました。
違法議決を解消するため、地方自治法176条に基づき、直ちに臨時会が招集され、再議決が行なわれました。
杉並区議会史上、前例の無い事態となっています。
区議会議長より区長に対し再議の要請が行なわれた。
除斥対象議員が議決参与 地方自治法117条に抵触
今回の事態は、第四回定例会の議案第94号「杉並区立高井戸保育園の指定管理者の指定について」の議決で発生しました。議決の際、除斥対象であるはずの今井ひろし議員(自民)が議決に参与しました。今井議員の母親は、議案の指定管理者である社会福祉法人「東京家庭学校」の理事に就任しており〝親族等が利害関係のある議事に参与出来ない〟ことを定める地方自治法に抵触、違法議決となりました。
議員自らの親族が従事する業務に関する議事に対して、議員が確認を怠り、違法議決を招いたことは重大な問題です。
地方自治法の規定
【除斥】
■第117条
普通地方公共団体の議会の議長及び議員は、自己若しくは父母、祖父母、配偶者、子、孫若しくは兄弟姉妹の一身上に関する事件又は自己若しくはこれらの者の従事する業務に直接の利害関係のある事件については、その議事に参与することができない。但し、議会の同意があつたときは、会議に出席し、発言することができる。
【議会の違法・越権の議決等に対する長の処置】
■第176条
○4 普通地方公共団体の議会の議決又は選挙がその権限を超え又は法令若しくは会議規則に違反すると認めるときは、当該普通地方公共団体の長は、理由を示してこれを再議に付し又は再選挙を行わせなければならない。
行政と議会の緊張感が必要
臨時会の冒頭、今井議員が〝自らが親族への確認を怠り〟議事に参与したことを謝罪しています。
再議決では、賛成多数により議案第94号は再可決されました。
今後、再発防止に向けた対策の検討が急務であり、行政と議会の間で緊張感を持った関わりが求められます。さらに、行政運営の監視の役割を担う議員の親族が区政運営に密接に関与する事態も道義的な責任が問われます。
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