教育の質の悪化を招くことは明らか
東京都は昨年、小学校における情緒障がい指導の制度改悪を強行しました。杉並区でも今年度から実施が始まっています。
制度改悪により、これまでの児童の通級学級指導から、各学校に「特別支援教室」を設置し、教職員による巡回指導を行なうことになります。
今回の制度改悪の特徴は教職員の削減です(※)。新しい教員配置基準を、在籍児童数に適用すると教員数が大幅に減る計算となります。
二つ目の特徴は、各学校に今までの設備を設置できないことです。
今までの通級学級には、プレイルーム、作業室、個別学習室など、指導に必要な環境を備えていました(下写真)。しかし、各小学校では、それだけの環境を整える余裕はありません(下写真)。
党区議団が行なった現地調査では、空き教室の一つを仕切りで区切り、簡易マットを引いて対応せざるを得ない現状となっていました。これでは、これまでの通級学級で行なわれていた教育の質を保てません。
■情緒障がい通級指導学級とは?
普段は在籍校で学校生活を送り、決められた曜日に通級学級のある学校に通い指導を受けます。
人との関わりや集団参加が難しい、落ち着きがなく集中して学習に取り組めない、特定の学習に著しい困難があるなど、情緒・行動面で個別指導が必要な子どもが対象です。
※教員配置基準について
●これまでの通級学級の基準→学校ごとに[学級数(10人1学級)+1]名
●特別支援教室の新基準→児童10人ごとに1名
通級学級
個別学習室、作業室、プレイルームを備え、児童の指導に必要な環境が充分に整備されている。
特別支援教室
空き教室を仕切りで区切る状況。
廃止方針撤回を!
既に、今年度から富士見ヶ丘エリアの6つの小学校で実施が始まりましたが、児童や保護者、現場の教職員からは、戸惑いと混乱の声が噴出しています。
このような教育の質の悪化を招く各学校への特別支援教室の導入は止め、情緒障がい児童に対し、かけがえのない役割を果たしてきた通級指導学級を存続させるべきです。
党区議団は、本決算質疑でもこの問題を取り上げ、通級学級存続へ全力をあげます。
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