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杉並区待機児童解消緊急対策への日本共産党杉並区議団の見解
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 杉並区待機児童解消緊急対策への日本共産党杉並区議団の見解をアップします。日本共産党杉並区議団は保育所整備にあたり、引き続き、具体的な用地や財源も示しながら、出来得る限り早期の認可保育所整備と住民サービスを天秤にかけることのない緊急対策を求めて、力を尽くす決意です。

見解の全文


杉並区待機児童解消緊急対策への日本共産党杉並区議団の見解

2016年5月26日
日本共産党杉並区議団幹事長 山田耕平


 保育待機児童問題が深刻化する中、杉並区は『すぎなみ保育緊急事態宣言』に基づく緊急対策「杉並区待機児童解消緊急対策」を示し、5月17・18日の区議会臨時会で関連の補正予算・議案第41号平成28年度杉並区一般会計補正予算(第二号)を上程。一日のみの議案審査のもと賛成多数で可決されました。
 緊急対策では区内11ヵ所の区有地を保育施設に転用(7カ所が認可保育所、4カ所が定期利用保育施設)し、2017年4月の開設を目指し、急ピッチで整備が進みます。
 転用される区有地の中には、近隣への影響を抑えた上で活用が可能な場所もある一方、利用頻度の高い既存公園の廃止や縮小、区民利用スペースの廃止等、重大な問題も含まれています。各地で住民からの不安の声が寄せられ、一部地域では反対運動も始まり、署名活動等も行なわれている状況です。
 党区議団は待機児童解消のためにかねてから緊急対策を求めており、区が緊急補正予算案を組むこと自体は重要と考えます。しかしながら、この緊急対策には重大な問題があり、大きく二つの問題点を指摘し、補正予算には反対をしました。

■継続審査を求める動議への対応
 議案が付託された総務財政員会の審査終結時、議案の継続審査を求める動議が自民・無所属クラブの議員から出されました。公園転用等の重大な問題をもった補正予算が出されたことに対し、より慎重な審議を求める動議であり、党区議団は動議の趣旨を理解し、賛同しました。一方、動議は賛成少数で否決されたため、わが党区議団はこの補正予算の部分的な削除・修正を求める立場から、本議案に反対しました。

■待機児童問題が深刻化した背景
 そもそも、杉並区で待機児童問題が深刻化した要因として、区の保育施設整備への姿勢の責任が鋭く問われます。
 区長は緊急事態宣言の中で、「急ピッチで認可保育所を整備」してきたが、待機児童が増えてしまったと書いています。しかし、これは事実と明確に異なります。
 田中区長の就任直後から日本共産党杉並区議団は再三にわたり、認可保育所の緊急増設を求めてきましたが、その際、具体的に住所も示して国有地等の活用も求めてきました。
 しかし、区は民間事業者に土地も施設も持ち込みで保育園をつくらせるという民間任せの手法にこだわり、区が自ら用地を確保するような積極的姿勢を見せてきませんでした。
 当時示した多くの国有地が売却されて今はありません。今回、その失われた国有地に隣接する区有地(下井草4-21・北公園緑地事務所用地)が定期利用保育に活用されることになったのは皮肉な話です。
 こうした区政にたいして待機児童の保護者団体が2013年、庁舎前抗議行動を行いましたが、それがマスコミに取り上げられ、重い腰を上げ、やっと十数園増設という大規模な整備が実現したのが2014年度です。
 ところが驚くべきことに田中区長は、次の年(2015年度)の実行計画にあげられていた13園増設を執行せず、2015年度に実際に整備された認可保育所は7園に留まりました。委員会での質疑で、区自らが「ここまで吊り上げる必要もないだろうという判断」をしたことを認めており、この判断が現在直面している保育待機児童の深刻化に直結しています。区自らが策定し施設整備目標も示した実行計画を執行せずに今回の事態を招いたというのは、単なるミスと言えるものでしょうか。重大な失政であり、あらためて区の責任が厳しく問われます。

■問題1 住民合意を得るための手続きが蔑ろにされている
 一つ目の問題は、民主的な手続きを踏みにじっているという問題です。区が行う施策は緊急であればあるほど、公園利用者など区民の声はしっかりと聴いて計画を進める必要があったと考えます。それができないのであれば、区民との軋轢が予想される計画を進めるべきではありません。区政は区民の合意や理解なしに進むものではなく、行政は区民との合意形成に最大限の努力を尽くすべきです。
 ところが今回、この緊急対策が計画・提案されるのに際し、地域住民のニーズや声を聞くことなく住民が全く知らないまま、議案が議会に上程されました。そして議会で議決後、説明会を行うという日程は、区民や利用者の意見を聞く姿勢がないことは明らかで、手続きの逆転が起きています。緊急事態宣言というものが、民主的な手続きを踏みにじっていいという宣言であると考えているのであれば、非民主的な政治運営と言わざるを得ません。
 この事態が認められれば、今後の区政運営において同様のことが起こり得ると考えます。
 計画を策定する前に地域住民や利用者とも意見交換や住民説明会を行い、そこで出された意見を計画に反映させるべきです。

■問題2 区民サービスが衝突し区民同士の争いを作り出しかねない
 二つ目の問題は、区民の保育園の増設を求める要望と公園の存続を求める要望が対立する関係となり、区民同士の争いを作り出しかねない問題となっていることです。
 今計画では、資材置き場の活用など、いくつか納得のいく計画もありますが、利用頻度の高い公園をつぶし、保育園をつくるという手法は重大な問題です。今回示された公園用地は、近隣の認可外保育園、幼稚園、小学校の子ども達が頻繁に利用している場所も多く、保育所整備のために、他の子どもたちの利用スペースが制限される事態は、今後の区政運営にも大きな禍根を残します。
 今回の計画決定後、すでに多くの区民から反対の声があがり始めています。反対の声を上げる住民のほとんどが、保育園の緊急整備の必要性を認めた上で、計画の進め方などに関する問題点を指摘しています。ある地元商店会役員は、計画候補地を選定する段階から地域住民との協議を尽くせば、用地活用がスムーズに行なわれた場所もあったと話しています。待機児童の課題解決のために、地域住民と区行政が膝詰めで話し合うことを求める意見も上げられています。
 公園を守りたい区民と保育園増設を求める区民との対立構図をつくってはなりません。
 保育園を利用する保護者がそれぞれの地域で安心して子どもを預けられる環境を保障し、運営事業者が安定的に保育所を運営するためにも近隣住民との合意形成は必要不可欠です。

■日本共産党杉並区議団の提案1
地域で重大な問題を発生させている計画は一旦凍結し、整備可能用地から進めるべき
 今回の緊急対策は、区の計画の進め方の問題により、至るところで住民トラブルを発生させています。計画を進める上で最大限、住民理解を得る努力を尽くすべきであり、環境負荷の抑制も求められます。
 大規模な認可保育所の増設はもっとも重要な課題と考えますが、緊急対策に限っては、それのみにこだわらず、地域特性を配慮した上で小規模保育所・区保育室などの整備も柔軟に検討する必要があります。合わせて、来年度以降の認可保育所の増設については本格的な整備を追求することが必要です。
 今計画で特に利用頻度の高い公園については、計画を一旦凍結し、修正・見直しを柔軟に行なうべきです。具体的には、久我山東原公園、向井公園、高井戸みどり公園、井草地域区民センター中庭の計画については、住民からの反対の声も根強く、計画を凍結し、修正・見直した上で、再検討することを求めます。

■日本共産党杉並区議団の提案2
①保育施設整備用地確保のために  民有地の活用に本腰を入れること
 区は公園を潰すしかないかのように答弁していますが、民有地の活用を全く検討に入れていません。現在杉並区には460億円を超える基金があり、そのうち財政調整基金は300億円を超えています。財政調整基金とは、不測の事態に備えて積み立てられた基金であり、今回、区が緊急事態を宣言するのであれば、300億円を超える財政調整基金の用途としても相応しいものです。党区議団は、財政調整基金について、用地確保のために積極的に活用することを求めています。
 同時に、党区議団は区内にある様々な民有地についても活用を求めています。郵政宿舎跡地(成田東)、JR宿舎用地(高円寺北)、日東紡用地(今川)等々、未利用の民有地についても行政主導で活用を進め、緊急の財政出動も含めた取得等の対応が必要です。
 区内には宗教団体等が保有する用地も多く、保育所整備用地として活用協議を行なうべきです。
 緊急の財政出動と共に、党区議団は、国に対し土地確保のための国庫補助制度の緊急創設を求めます。
 民有地の活用については、隣接区の世田谷区では保育所の建設を促進するために、区が土地を借り受け、保育所運営する事業者と地権者の間に入ってマッチングする『誘致型』保育所整備を導入しています。この手法は、これまでも実績を上げており、杉並区も他区の例を参考にし行政による民有地活用・マッチングを進め保育所整備を行っていくことが必要です。

②保育施設整備用地確保のために  区内に残された国・都有地等の活用を
 区内に存在している国・都有地や未利用区有地の活用を引き続き進めることが求められます。
 区有地の利用については、旧若杉小学校の本格活用方針が未だに定まっておらず、7600平米を超える広大な区有地の大部分は整備方針が決まっていません。緊急事態であれば既存の区立保育室とは別に、さらなる保育所整備用地として活用を検討するべきです。
 また、都市部における用地確保を基礎自治体の努力だけで行なうことは困難です。この間、都有地で見れば、水道局旧西営業所(宮前5丁目・約890平米)の用地は、都との協議が不調に終わり活用の目途が立っていませんが、都の責任において用地活用を進めるよう求めるべきです。また、都バス車庫(梅里1丁目・約1万平米)についても同様に保育所整備用地として活用するべきです。
 今回、旧杉並中継所の跡地に認可保育所整備方針が示されましたが、用地の大部分については本格活用方針が定まっていません。基礎自治体だけの努力ではなく、国や都に対しても深刻化する待機児童問題を解消するための用地確保の責務を担うよう求めるべきです。

③保育施設整備用地確保のために  「国家戦略特区」制度を活用した保育所整備を
 昨今の保育需要増への緊急対応として国の国家戦略特区に東京都全体が位置づけられたことを受け、都立公園などへの保育所整備を検討するべきです。区内の大規模な都立公園については、公園内用地の一部については保育所整備用地として活用を検討することが必要です。その際も住民合意のもとで計画を進めることが求められます。
 党区議団が、この間も活用を求めてきた馬橋公園隣地の国家公務員宿舎跡地(高円寺北4丁目・約6400平米)については、馬橋公園との一体的な公園用地として整備が検討されています。当該用地は広大な未利用国有地でもあり、一部分を使用した保育所整備などを検討するべきです。
「国家戦略特区」制度の活用については、先行的に取り組みを始めた自治体では、およそ一年程度の期間をかけ計画決定を行なっています。杉並区においても、直ちに特区の区域指定の要望・提案を行なうよう求めます。

 以上が、待機児童解消緊急対策における問題点と党区議団の提案です。
 上記の理由により、待機児童解消緊急対策に基づく、議案第41号平成28年度杉並区一般会計補正予算(第二号)について、日本共産党杉並区議団は反対しました。
 引き続き、具体的な用地や財源も示しながら、出来得る限り早期の認可保育所整備と住民サービスを天秤にかけることのない緊急対策を求めて、力を尽くす決意です。



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山田耕平