児童館機能は継承されず...居場所を失う子どもたち
8月5日、杉並区和泉地域の和泉学園内学童クラブ、和泉児童館の視察を行ないました。
和泉地域では、区立施設再編整備計画が最も早く具体化されており、区内初となる児童館の再編(廃止)が行なわれる予定です。児童館の廃止後は「子どもセンター」に転用されます。
この間、杉並区は〝児童館の機能は継承される〟と強弁していますが、視察により、これまで児童館が果たしてきた機能・役割の大部分が失われることが明らかになりました。
また、これまで児童館に併設されていた学童クラブは小学校内に移転することにより、多様な遊びの機会や子どもの居場所そのものが失われることにもなります。
居室はあまりにも狭い
現場への過重負担も...
和泉学園内学童クラブでは、居室そのものが非常に狭く、子どもたちが溢れかえっているような状況でした。
職員への聞き取りでは、〝居室の環境と職員体制上、子どもたちがバラバラの遊びをした場合に対応できない。そのため、一つの遊び(ベイゴマ)を中心に、カリキュラムを組み、
子どもたちが集中して遊べるように工夫をしている〟と話していました。限られたスペースの中で、現場では様々な苦労をしながら学童クラブを運営している状況です。なお、学校内の各教室(図工室、音楽室)や体育館等々は使用できる状況ではありません。
また〝居室と各教室が離れているため、職員の目が届かなくなり自由に子どもを行き来させることもできない〟との現状も話されました。
ベイゴマ遊びを中心に、子どもたちは日中・放課後の生活を過ごす。
職員の動揺も広がる...
この和泉学園内には、今後さらに和泉児童館廃止に伴い和泉児童館併設の学童クラブが移転することになります。職員は、これ以上の規模に対応できるか不安があると話しています。
これまで、児童館施設に併設しているからこそ豊かな遊びが提供されてきた学童クラブでしたが、今後、児童館が廃止され子どもたちの居場所が喪失することが懸念されます。
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