様々な問題が懸念される 足立区の前例とは?
田中区長が再任し、今後の区政運営の方向性が示されましたが、様々な施策の民間委託方針による問題が懸念されています。
来年度中には国保年金事業の民間委託をスタートさせる計画です。先行的に大規模な民間委託を実施している足立区で発生している様々な問題を分析し、行政の責任後退と一体の民間委託方針の問題点を議会で取り上げました。
業務委託の問題点を指摘するテレビ報道TOKYO MX
様々なマスコミにも取り上げられた。
結婚するのに一日がかり...
足立区では、2014年1月より区役所の窓口業務の一部である戸籍業務を民間委託しています。
戸籍の受理・不受理は戸籍法により公務員しか判断できないようになっています。
しかし、実際には民間職員が窓口で戸籍の受理・不受理を行なっており戸籍法違反の状態でした。
また、受理・不受理の判断を区職員に相談し指示を仰ぐことにより労働者派遣法違反(偽装請負)になっていました。
窓口ではトラブルが続出。住民からは「窓口の委託社員が『少々お待ちください』と言って奥に行くと、しばらく戻ってこない。」「2月の入籍は一日がかりでした。朝八時に窓口に行って一六時に帰宅。ほんとに疲れました。」「とんでもない区に引っ越してしまった。」などの苦情が寄せられ、足立区長が謝罪する事態となりました。
計画を撤回し、自治体の責務を果たせ
足立区の前例により、
①極めて重要な個人情報・プライバシー漏洩のリスク。
②偽装請負の法令違反の可能性。
③法令違反を回避しようとすると起こる「二度手間行政」によるコスト増大の悪循環。
など、公共サービスの質が低下することが懸念されます。
これらの問題点を取り上げ、区に対し民間委託方針の撤回を求めましたが、区は「丁寧に業務分析する」と強弁。計画の推進を強調しました。
行政の責任を民間に投げ出し、住民サービスの後退を招きかねない民間委託方針に固執する区の姿勢は重大な問題です。
※偽装請負とは?
書類上、形式的には請負(委託)契約だが、実態としては労働者派遣であること。違法となる。
■偽装請負の問題点
・労働基準法が適用されない場合がある。
実際に命令を下す会社との労働契約が無いため、会社が責任を取る必要がなくなる。
・許可の無い労働者派遣が行われる。
人材派遣業許可が不要。
・労働者の報酬が不当に搾取される。
契約が何社にも跨ることをことがあり、労働者の報酬がピンハネされる。
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