草の根から生まれた憲法草案がここにも
5月10日~18日、青年劇場の「みすてられた島」の公演が行なわれます。敗戦直後の伊豆大島で作られた幻の〝大島憲法〟に想を得た近未来劇です。安倍政権による改憲の策動が強まるなか、日本国憲法の意味を見つめなおす上で、重要な機会となるのではないでしょうか。
平和主義や主権在民も
大島憲法の前文にあたる大島大誓言では「道義の心に徹し万邦和平の一端を負荷し」と世界平和をうたい、第一条で「大島の統治権は島民に在り」と主権在民を明記しています。
終戦直後、食糧にも事欠く大島で〝日本の行政権から除外される〟ということは深刻な事態です。しかし、独立覚悟の悲壮な決意とともに、平和主義や主権在民の原則を盛り込んだ大島憲法は、新たな時代を切り開こうとする島民の展望と活力を感じさせます。
東京新聞(2013年8月14日付け・東京トリビア)で詳細な特集記事を掲載しています。
日本国憲法の土台には国民の切なる願いが
大島で独自の憲法がつくられたのは、日本国憲法の策定作業が進められたほぼ同時期です。当時の日本国民の中に、反戦平和と主権在民への切実な願いが強く根付いていたことを示しています。
※大島憲法とは
1946年1月、連合国軍総司令部(GHQ)は日本の施政権から沖縄や、大島を含む伊豆諸島を除外した。そのため、大島では島の独立が準備され、憲法草案が作られる。3月上旬には草案がほぼ出来上がっていたが、同22日、伊豆諸島を再び日本本土に復帰させる行政分離解除が発令され、大島の独立および「大島憲法」は幻となった。
公演のご案内
◆日時
5月10日~18日(12日は休演)14:00、18:30、19:00
※日により、公演時間が異なります。詳細は劇団にお問い合わせください。
◆場所
紀伊國屋サザンシアター(紀伊國屋書店新宿南店7階)
◆料金
前売り 5150円 当日5500円
◆問い合わせ先
青年劇場 03(3352)7200
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