介護保険改悪の影響 自治体の姿勢が問われる
今国会で介護保険制度改定の審議が行なわれます。「介護保険制度からの要支援者切り捨て」「特別養護老人ホーム(以下、特養ホーム)の入所枠の限定」「サービス利用料の一割から二割への引き上げ」等々、サービス切り下げと負担増の大改悪となります。
改定により、自治体の介護施策にも大きな影響があります。要支援者のサービスは自治体独自事業に移行され、これまで介護専門職が担っていたサービスをボランティアに対応させる等、介護保険制度の根底を覆すことになります。
質疑では、国が早期成立を狙い徹底的な審議を尽くさない状況を指摘し〝自治体として、国に慎重審議を求めるべき〟と要請しましたが、区は〝国の動向を注視する〟姿勢に留まるなど、極めて不十分な対応を示しました。
介護保険運営協議でも現場の委員から「介護サービスの専門性を軽視するべきではない」旨の発言をしており、懸念の声が広がっています。
質疑では、国の動向に対して、区の認識が浅いことも明らかとなりました。
自治体として、住民の立場で、国の法改悪に立ち向かうことが必要とされています。
一問一答形式での質疑
営利企業参入によるトラブルが続出
この間、杉並区では認可保育所整備を核とした施設整備を進めています。しかし、営利企業の参入が多く、トラブルも増えています。職員の労働環境の悪化による退職者が相次ぐなど、様々な問題が発生しています。保育所での問題は児童の命と安全に直結することにもなるため「保育の質」の低下は許されません。自治体からの指導・監督も弱く、民間任せとなっている実態を改めるよう求めました。
特養ホーム待機者の状況
年度
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A
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B
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C
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合計
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2009年
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907
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663
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234
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1804
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2014年
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1042
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705
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197
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1939
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ABCは緊急性の高さを示している。
Aランクは緊急性が最も高い
認可保育所待機児童の状況
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2010年度
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2014年度
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申込者数
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1936
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3257
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入園者数
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1214
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1390
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保育指数(保育の必要性)の状況
指数
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2013年
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2014年
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40未満
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877
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712
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40
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1204
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1263
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41以上
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1054
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1282 |
保護者がフルタイム共働きは指数40点となる。フルタイム共働きでも入園は厳しい状況となる。
遅れてきた認可保育所・特養ホーム整備 田中区政でも変わらず...
田中区政の四年間を見ると、認可保育所も特養ホームも整備が遅れてきました。区長の任期序盤、中盤には新たな施設整備方針が示されず、最終盤になり、やっと計画が示される等、不十分な状況です。
区民福祉の向上を第一に考える区政への転換が求められます。
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