問題の詳細説明と解決策なしに本格工事着工は許されない
外環道計画の本格工事着工に向けた動きが進むなか、今まで〝安全〟とされてきた計画について、様々な問題が指摘され始めています。その一部を紹介します。
問題点② 地下水断絶による地盤変異
地下水への重大な影響が懸念されます。9月下旬に行なわれた学習会では、地下水問題の権威であり、各地で地質調査のコンサルタントも勤める柴崎直明福島大学教授が、地下水問題についての講演を行ないました。
講演では、外環道計画で示されている地下水への影響評価データが極めて粗い事が示され、様々な条件を付していない評価は安全性を証明できないことが明らかにされました。
また、実際に、数通りの簡易シュミレーションを示し、地域条件により、地盤変位などの様々な影響をもたらす地下水問題の危険性を明らかにしました。
国土交通省 東京外かく環状国道事務所ホームページより
講演を元に作成した図(地下水は左から右に流れる状況)
◆左記事例の場合
水が通る帯水層が外環トンネルにより断絶されないため、地下水や地盤変位等の影響は少ない。
◆左記事例の場合
水が通る帯水層が外環トンネルにより断絶されるため、地下水への影響が極めて大きく、地盤変位は上記事例の十数倍以上の影響(上流の地盤上昇、下流の地盤陥没等)となる。
さらに、塞き止められた地下水は難透水層(粘土層)に抜けようとするため、地層を構成する鉱物によっては、水質を汚染する等、極めて重大な問題を引き起こす可能性があります。
外環道計画は、大深度地下に直径16メートル(マンション5階建てに相当)の巨大構造物を2本通すことになるため、帯水層にも甚大な影響を与えることが懸念されます。
より詳細なシュミレーションを実施し、地下水に与える影響を調査すること必要です。
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