定員弾力化での緊急対応 不充分ながら一歩前進
この間、杉並区で大問題となり、連日メディアにも取り上げられている保育待機児童問題について、保育定員増の緊急対応が発表されました。多くの保護者の切実な要望を受けてのものです。
党区議団は、再三にわたる待機児童対策の拡充を求め、先の一般質問でも、保護者の声を取り上げ、認可保育園の大幅増設、四月入園の受け皿確保を求めました。今回、その要望が一部実現することとなりました。
今回の対応は、あくまで緊急的・臨時的な対応です。既存園の定員弾力化は詰め込み保育に繋がる可能性もあり、本質的な問題解決にはなりません。既存園の園長からは「受け入れには限界がある」との声も寄せられています。
認可保育園整備の遅れの実態
H20~22年度 認可保育園新設 0園
H23年度 認可保育園分園新設 3園(定員増 125名)
H24年度 認可保育園新設 1園※
※既存保育室からの移行のため、実際の定員増は10名程度
認可保育園の抜本増設が必要
また、来年度の早期に臨時的な保育所整備も検討されています。
しかし、待機児童解消は、認可保育園の大幅増設でこそ行なわれるべきです。認可基準は、先進諸国の中では遅れた内容となっていますが「子どもの命を守り、安全に過ごす」最低限の基準となっています。多くの保護者が認可保育園に子どもを預けたいと願うのは当然のことです。
この間もニュースなどで取り上げてきましたが、貴重な国公有地が売却され、認可保育園・特養ホーム整備などが進んでこなかった現状を、ただちに改めることが必要です。
※緊急対応の内容と問題点
◆緊急・臨時対応で200名規模の保育定員確保
・定員弾力化での定員増100名
既に、前区長時代から定員弾力化での対応を行なっており、さらなる弾力化は限界。臨時的な対応に留め、保育施設増で対応する必要がある。
・既存区施設等を活用した保育施設増設、都「スマート保育」活用
設置基準は自治体が決めることになるが、「認可基準に準ずる」ことを表明していない。劣悪な安上がり保育に繋がる可能性がある。
◆25年度以降の認可保育所整備を推進
・認可保育所3所新規開設
昨年の計画の遅れや、既存園の閉園分も含めており、純増とならない。
・計画的な取り組みを推進
今後の計画が、具体的には示されていない。今後、すみやかに計画を拡充することが求められる。
当日、保護者による異議申し立ても行なわれた。
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