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本日、一般質問しました!(質問全文up)
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保育待機児童の深刻な実態を告発し、認可保育所の抜本的拡充、すみやかな増設を求めました!

本日の質問全文です。
一般質問の動画はコチラ(杉並区議会ホームページ・会議の終了から概ね24時間後にご覧いただけます)
太字が保護者や現場職員からの聞き取りによる実態です。

~~以下、一般質問全文~~

保育について

 日本共産党杉並区議団を代表して、区政一般について、質問します。
 この間、私たちが聞き取りをした実態をもとに、保育施策について、質問します。

 今、多くの保護者から、認可保育園の増設を求める声が広がっています。認可保育所を求める保護者の要望は切実さを増し、深刻な事態も発生しています。

 私たちのもとに相談に訪れた、ある母親は、
 夫婦で、区内に飲食店を経営しており、夫が病気で、仕事や子育てが満足に出来ない状態になっています。そうした中、妻が一日に2時間ずつ介護ヘルパーをしながら、家計を支えています。
 不景気の煽りを受け、店の経営はうまくいかず、家計はギリギリで回す状況、日によっては、支払いが滞り、電気やガスが止められる事態にもなっています。これから妻のパート時間を延長し、家計を支えながら、店を続けようとしています。
 この夫婦は、自分たちの力で家庭を支えようとしていますが、子どもを保育園に預けられなければ、生活がままならないという、まさに切迫した実態が寄せられています。

 また、現在、来年4月入園の募集が始まっていますが、連日、多くの保護者、子連れのお母さん、お父さんが保育園への入園申し込みで区役所に来庁しています。
 私も、直接、来庁された保護者から話を聞いてみました。

 ある父親は、兄弟の内、一人が保育園に入ることが出来ず、保育ママに預けていると話していました。家計は厳しく、共稼ぎで、毎日必死に働いており、夫婦共に朝早くから夜遅くまで仕事をしています。保育ママは預かり時間に幅がないために毎日苦労をしていること、別々に預ける子どもの送迎なども困難になっていると話していました。兄弟共に、どうしても認可保育園に預けたいと語っています。

 また、ある母親は、この間、いくつかの保育園の見学に回ったそうです。認可保育園と認可外保育園を実際に見学したところ、ハード面が圧倒的に異なることにショックを受けたと話していました。
 園庭もプールも無い、部屋も狭い、ビルの一角にあるが避難口が一つしかない、先生も派遣社員のようでベテランの保育士も少ないなど、明らかに保育の環境が満たされていないと感じたそうです。
 さらに食事の時間などは大変で、先生を中心に子どもを横並びにし、先生が端から、子どもの口にご飯を入れていくそうです。まるで、動物園のエサやりのようで、衝撃を受けたと語っていました。
 また、0歳児~年長までが同じ部屋で過ごし、いつ保育事故が起こるかも分からない状況とのことです。こうした園に子どもを預けることは、子どもの日中生活を考えると、大変な不安があると話していました。
 子どもを安心して預けられる認可保育園に入りたいが、今住んでいるJR沿線は申し込みも多いようで、入園できるか分からず、困っていると語っていました。

 このように、圧倒的多くの保護者が認可保育所への入園を求めており、現状では、認可保育園の数が不足し、多くの保護者の願いや要望が満たされていない状況になっています。

Q1-1
 そうした中、先の決算特別委員会での質疑で、「保育園・児童館・ゆうゆう館」が多すぎるとする他会派の委員の質疑に対し、区は「乾いたぞうきん」にたとえ、絞る重点として福祉を取り上げました。これは、自治体の責任や役割を軽視する、大変な問題発言だと感じています。
 そもそも、どのような施設に入ることも出来ない待機児童が四月の時点で52名となり、認可保育所への入園を求めても入れない児童は、およそ1500名となっている現状です。
 このような現状を踏まえた上で、杉並区は保育園が多過ぎると考えているのでしょうか?
 多過ぎるどころか、圧倒的に不足し、認可保育所の増設が緊急に求められていると考えますが、区の見解を伺います。
 また、福祉分野における民営化の推進や施設の再編整備を、絞る重点と答弁していますが、公立の保育園などを絞る重点としているのか?区の見解を求めます。

 福祉を絞る方法として、民営化の導入が進められています。特に、この間、杉並区では指定管理者制度の導入などにより、いくつかの公立保育園を民営化する方向性が示されてきました。
 また、今回、新システム「子ども子育て関連3法」により、新たに公私連携型保育所が法定化されました。
今後、地域の保育を支えてきた公立保育所を民間に安く譲り渡すなど、民営化・統廃合が進められることが懸念されています。
 このような公立保育園の民営化は大きな問題です。今必要なことは、公立保育所を守り、保育条件を引き上げることです。

 そもそも公立保育所は地域における公的保育の拠点として、歴史的にも大きな役割を果たしてきました。障害児保育や延長保育、児童虐待の防止、アレルギー児への対応などにも取り組み、蓄積してきたノウハウを、各種研修会などを通じて民間保育所にも拡大し、その地域全体の保育水準の引き上げにつなげてきました。
 子育て支援や地域活動へ積極的に取り組む等、全ての公立保育所で、同じ水準の保育を提供するとともに、地域全体の保育の質の向上させる役割もはたしてきました。
 必要に応じて加配等を行いながら、障害児の積極的な受け入れや、特別な配慮を必要とする児童一人ひとりの健全な発達を目指した、きめ細かな取り組みなどを行い、地域の身近な子育て支援施設として保育行政を支えてきたのが、公立の保育園です。

 しかし、現在、公立保育園の置かれている実態は深刻です。
 この間、公立保育園に勤める保育士の方々に、現場の実態や苦労を聞いてみたところ、現場では、正規職員に対し、非正規職員の割合が増え、保育士同士の連携が取りにくい、引き継ぎが困難、保育の経験などを伝えていくことが難しくなっているとの声が寄せられています。
 また、区内の一部で、一歳児の待機児童対策として、0歳児の保育を縮小し、一歳児枠に充てるという方向性も示されていますが、私のもとに、複数の保護者からの怒りの声が寄せられています。
 本来、行政がすべきことは、0歳児を含めて、認可保育園の保育枠を大幅に広げ、0歳児も1歳児も受け入れ枠を増やすことが必要なのではないか、という声です。
 0歳児保育を無くすという事は、看護師を配置する必要が無くなり、保育園から看護師がいなくなるということにもなりかねません。
 例えば、三鷹市でも0歳児保育を縮小する方向性が示されています。縮小とセットで、看護師の配置も縮小されるのではないかと、不安の声が拡がっています。
 現場の保育士や看護師に聞いたところ、「0歳児を担当する看護師は、何も、0歳児クラスだけを見ているのではなく、園全体の健康をチェックしている重要な役割を担っている。特に0歳児についてはクラスに張り付きでチェックをし、他のクラスの児童については、登園してきた際に顔色はどうか、普段の様子はどうか?風邪が流行ってきたから対策はどうするか?園で児童の怪我が発生した際に、どのような対応をすべきか?など、様々な事について、園に一人しかいない専門職として判断している。現場から看護師がいなくなることは、大きな不安がある」との声を寄せています。

 リスクマネジメントが重視されている昨今の保育分野の状況を考えれば、専門職である看護師の配置を縮小するべきではありません。
 これまで公立保育の果たしてきた役割を考えるのであれば、現状の公立保育はしっかりと守り、拡充することこそ必要です。

Q1-2
 行政は、公立の保育施設への適切な体制の確保などに、責任を持つことが必要です。
 区は公立保育園の果たしてきた役割をどのように考えているのでしょうか?
 また、保育が公的に保障されるための拠点として、公立保育園は守られ、維持されるべきと考えますが、区の見解を伺います。

 現在、保育待機児童を抱える保護者の実態は、きわめて深刻です。

 ある母親は、年度途中で子どもを預けることが出来ず、この間、必死に保育園を探しまわっていました。

議長に資料の提示許可

 この表をご覧ください。これは、その母親からの聞き取りをもとに作成した資料です。
 
 その母親が、8月~10月までの二ヶ月間で回った保育所とその内容が示されています。ビッシリと記入されており、どれだけの保育園を回っているのか、私もショックを受けました。この期間だけで23カ所もの保育施設を回ったことが示されています。
 例えば、ある認証保育園の空き枠は160人待ち、比較的少ない園でも40人~60人待ち。10月4日・50人待ちであった認証保育園が10月14日には80人待ちに増えている実態もあります。

 こうした実態からも分かる通り、認可のみならず、認証、認可外、全て回っても空きが無く、入れる見込みが全くないという状況です。
 登録はしていても、いつ入れるか、見当がつかないということを、母親は語っていました。
 また、認可外施設への登録のために、登録費が必要になることもあります。この母親の場合、認可外の保育施設の登録で、空き枠を確保するために21000円もの登録費を支払ったとのことです。

 例え、奇跡的に認可外保育園に入れたとしても保護者には大きな負担がのしかかります。
 あるご家庭では、同じように何十の保育園を回っても空きが無く、一箇所だけ認可外の保育園の一時保育枠のみ、1名の空きがありました。月極めの定員が満員のため、一時保育を利用し、その園に預けることを決めましたが、時間単位で保育料を計算されるため、月にかかる保育料は14万円を超えます。
 さらに、住んでいる荻窪周辺では、保育園を見つけることが出来ず、一つ駅を超えた場所に、子ども預けています。そのため、夫婦ともに、朝の保育園への送りが間に合わず、子どもの送りはベビーシッターに頼んでおり、その負担が月3万円。給料のほとんどが、保育のために消えていきます。
 会社を辞めることも考えましたが、今のご時世で、一度、辞めてしまえば再就職には見通しがありません。来年の4月に認可保育園に転園する可能性にかけて、ギリギリのやり繰りをする日々です。3月一杯まで預けたとして、これからさらに、100万円程度の負担になる可能性があります。

 また、ある母親は、冬に子どもが生まれた場合、4月入園のタイミングに間に合わず、入園がきわめて困難になるとの実態を語っていました。
 母親がしっかりと面倒を見なければならない期間に、「子どもを保育園に預ける」ために早期に、職場復帰をするべきか?それとも、育休を延長し、アテの無い中途入園を目指すべきか?
 「子どもの面倒を自分の手で見たい」と願う多くの保護者は、究極の選択を迫られると言っています。

 月齢的に認可保育園に預けられない児童は、必然的に、年度途中での保育所入園を目指すことになります。

 ある母親は、年度途中での保育園入園をせざるを得ない状況なり、出産後、体調を崩し、医者からは休養を進められているのにも関わらず、保育園探しを開始しました。毎月、10~15園を回り、必死に空きを探し続ける日々。体調がすぐれない時には、タクシーでフラフラになりながら各園を回るそうです。
 働きたいと、当たり前のことを願うだけで、なぜ、ここまで大変な目に会わなければならないのか、と語っていました。

 これらの事例は、特別の事例ではありません。多くの保護者が数十の保育園を回りながら、必死に保育園を探しています。これが杉並区内の保活と言われる現状です。

 ある母親は、「児童館などで、同じ待機児童の保護者同士で仲良くなったとしても、結局は、保育園入園をめぐるライバルの関係。知らない情報が出されると、家に帰り、すぐに入園を申し込むなど、同じ苦労を共有しながらも、お互いが競い合わされている。なぜ、友人同士で、こんなつらい思いをしなけれなならないのか?」と語りました。

Q1-3
 行政は、保育待機児童の保護者の苦悩、深刻な実態に心を寄せ、早急に改善をはかるべきです。
 今、多くの保護者から、現在、区立保育室として暫定活用されている若杉小学校跡地について、認可保育園を作ってほしいという声が広がっています。当議会にも若杉小学校跡地に認可保育園を求める陳情が上げられました。こうした声を積極的に受け止め、認可保育所などの増設を進めるべきではないでしょうか、区の見解を伺います。

 認可保育所が新設される場合、公立か社会福祉法人であるべきです。
 多くの自治体から、企業経営の運営事業者のトラブル事例が挙げられています。例えば隣の世田谷区での事例は記憶に新しいのではないでしょうか。この事例を受け、世田谷区では、認可保育所の設置は企業参入ではなく、民間だとしても、社会福祉法人に限る方向で設置を進めています。
 先の一般質問でも取り上げましたが、利益を目的として、保育分野に参入する企業経営の運営事業者と、保育そのものを目的とする、社会福祉法人では、設置にあたっての根本的な立場が異なります。
 現状、保育行政が極めて厳しい状況に置かれるなかで、他の自治体では、企業経営の運営事業者が利益を見込めなくなり、突如、保育所運営から撤退する、また倒産するなどの事例も発生しています。
 その一方、区内で認可保育園を運営する社会福祉法人などからは、区内で認可保育園を作るのであれば、事前の協議や連携を図り、地域の保育の質の向上に役立たせたいとの建設的な声もあります。
 しかし、この間、区で進められている認可保育所の設置については、土地・建物も全て持ち込むという公募条件が増えており、営利を目的としない社会福祉法人の参入には大きな壁となり、株式会社経営の事業者しか参入できない現状です。

Q1-4
 杉並区で初となる、土地・建物込みでの公募で、井草地域の認可保育所増設計画を断念するという事態が発生したことは、先にも取り上げました。
 代替施設は、杉並区が責任をもって設置を進めることが必要です。
 杉並区北部地域での認証・認可保育園について、土地・建物も全て込みでの条件で、公募を実施していましたが、進捗状況はどのようになっているのか、伺います。

 この認可保育所の増設計画の断念について、この間、対話をした保育待機児童の保護者から、一様に怒りの声が寄せられています。ある方は、「100名以上の保育園を心の底からアテにしていた。この地域で認可保育園に入れなかった場合、どうすればいいのか?」と言っています。
 杉並で初となる手法での、認可保育園設置を断念する事態が起こったのにも関わらず、再び、同じ手法で、認可の設置が行われようとしていることを懸念します。
 世田谷などでは区内の社会福祉法人と自治体の連携のもとで、認可保育所の増設計画が進められています。
 杉並区でも、このような連携を深めるべきではないでしょうか。

Q1-5
 杉並区で新たな手法とされている土地・建物も全て込みでの公募条件で、非営利の社会福祉法人が参入できると考えているのでしょうか、区の見解を伺います。
 また、土地の確保には、行政が責任を持つべきではないのでしょうか?区の見解を求めます。
 さらに、土地取得が困難な都市部では、土地の取得への助成などを国に求めていくことも、合わせて必要と考えます。

Q1-6
 国有地の活用という点では、国家公務員宿舎「方南町住宅跡地」に新設を検討している認可保育所について、具体的にいつ頃に設置が検討されているのか?どの程度の規模なのか?運営主体はどのように決められるのか?区はどのように関係していくのか、詳細を伺います。

 保育待機児童の深刻な実態が明らかである中、速やかに認可保育所増設がはかられるべきです。杉並区として、取り組みを強力に進めることを求めておきます。

 新システム「子ども子育て関連3法」のもとで、認可保育所の建設や改修整備のために、これまでの建設費の4分の3を国・市町村が負担してきた、国庫補助金の支給対象から保育所が除外されています。
 保育施設の整備は各施設にまかされることになり、施設整備は難しくなります。
 これでは、自治体や事業者が認可保育所をつくりたくとも作れないという状況にもなりかねません。特に、長年、保育分野を支えてきた社会福祉法人などは、新たな保育事業の参入は、極めて困難となります。これでは、認可保育所は増えず、待機児童も減らないということにもつながります。

Q1-7
 保育所建設の補助金廃止についての区の見解を求めます。また、国に対しては、国庫補助制度を復活することを求めるべきです。

 この間、多くの保護者と対話し、実態の聞き取りを重ねてきました。質問の最後に、ある母親の思いを紹介します。
 この方は、7年前に杉並区に移り住んできました。夫が病気になり、仕事を退職するなど、苦労もありましたが、昨年、第一子を授かり、大変な中でも、幸せな家庭を築こうと頑張っていました。
 しかし、その矢先、杉並区でも保育園に預けることが困難である実態を、初めて知りました。今までは、子育てがしやすい街だと思っていた杉並区でも、多くの親が、保育待機児童を抱え、切実な生活をしているという現実に直面しました。
 自分の家庭状況では「保育指数」が高くはならず、保育園に預けられる可能性が低いことも、知りました。そうした事実を知り、これからの生活に展望が無くなり、途方に暮れているとも話していました。
 それでも「子どもを授かったことは、本当によかった。仕事も家庭も大変だけど、子どもがいるから頑張れる。子どもは私たちの生きる力」と語っています。この方は、「この状況では2人目は厳しいが、諦めたくはない」との思いも寄せてくれました。

 少子化対策が名ばかりで、子どもを産んだとしても、決して楽な生活が保障されない社会の中、懸命に子育てし、必死に働き、家庭を築こうとする母親、父親の思いに、私たちは全力で応えなければならないのではないでしょうか。

 安心して子育てできる保育を保障することは自治体の責務です。ましてや、杉並区には力があります。財政のダムとして550億円もの積み立てが行われる、そのもとで、このような事態が放置されることは、決して、許されません。
 改めて、多くの保護者の願いでもある認可保育所の抜本的な拡充、また緊急の拡充を求めて、質問を終わります。


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山田耕平

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