8月21日(月)日本共産党杉並区議団は、南伊豆町に建設中の特別養護老人ホーム「(仮称)エクレシア南伊豆」を視察しました。
H30年3月の開設に向けて工事が進む。
全国初の自治体連携特養ホーム 区民枠50床に22件の申し込み
杉並区は南伊豆町に杉並区の児童向け施設「南伊豆健康学園※1」があった縁で、交流を進めてきました。
今回整備される自治体間連携による特養ホームは全国初の事業となり、介護保険制度上の圏域を超えるものとなります。杉並区にとっては、特養ホーム用地確保が困難な現状で、施設不足が深刻化するなか、入居待機者の解消に効果を上げることが期待されています。
一方、杉並区からの距離は遠く、アクセスが悪いため、利用者の孤立化と家族との絆の喪失等が懸念されています。
7月から利用者説明会が実施され、入所申し込みが開始されています。
南伊豆特養ホームの定員は90床、うち杉並区民枠は50床となります。
視察時点での入所申込の状況は、杉並区民22名、静岡県民30名程度が申し込みをしている状況です。
※1肥満や気管支喘息、偏食、病弱等の健康上の障害のある児童を対象として健康改善の機会を提供する教育施設。
※圏域外特養ホーム 諸課題への対応状況
南伊豆への特養ホーム整備は、距離の課題以外にも、圏域外特養ホームとしての諸課題、地域課題なども山積しています。
現在、諸課題への対応方針が検討されている状況です。
■当該用地の近隣が土石流警戒区域内である ⇒ 建設・運営は法令等を遵守し、警戒区域内に建物を配置せず。
土石流警戒区域を示す看板。
■へき地医療対策と医療機関との連携 ⇒ 二次救急対応医療機関は近隣で対応。少ない医療資源を有効活用する。地域医療振興協会と連携して対応。
■利用者の孤立化対策 ⇒ ICT機器(スカイプ)等の活用により、家族との距離感を縮めるための工夫を行なう。施設内に家族宿泊室を整備する。利用者家族送迎のためのシャトルバスの運行を検討。
今後の区民利用の動向は?
視察では、運営事業者と懇談。運営事業者は30年間に亘り、地元で高齢者福祉サービスを提供しており、入居者の「生活の質」を高めていきたいと決意を語りました。今後、区民利用の動向と入居実態を注視する必要があります。