3月9日(木)、現在開会中の杉並区議会第一回定例会・予算特別委員会の保健福祉分野で質疑に立ちました。介護保険・高齢者福祉、障害福祉サービス、保育の各分野を取り上げました。
介護保険改悪の影響は深刻 介護職員の処遇改善策を
この間、介護保険制度改悪が連続しています。特に介護報酬の引き下げによる影響は深刻で、区内の介護サービス事業者の事業撤退が相次いでいる状況です。
また、杉並区介護保険運営協議会でも、介護現場の委員から「一割減は相当痛手」等の切実な声が出されています。
区内の特養ホームでは、職員体制が圧迫され、利用者へのサービス提供に支障が出ています。
質問では、介護現場の深刻な実態の把握を求めると共に、他自治体の介護職員の処遇改善策を取り上げ、杉並区でも独自に対策を実施するよう求めました。
区は実態把握に努めるとしながらも、処遇改善策については明言を避けるなど、不充分な姿勢に終始しました。引き続き、介護現場の実態改善に取り組みます。
介護現場の深刻な実態を伝える報道が相次ぐ...
■朝日新聞「介護事業所過去最多ペースで62件倒産」2016年9月8日付
■東京新聞「介護事業所の倒産急増 昨年最多108件 介護報酬下げ響く」2017年2月8日付
障害者の移動支援事業の拡充を
杉並区内の障害当事者の団体から障害者の移動支援事業の拡充を求める要望が多く寄せられています。
移動支援とは、移動が困難な障害者(児)が充実した日常生活を営むことができるよう、ヘルパーを派遣し、社会参加等に必要な外出時の支援を行なうものです。具体的な取扱いは、各区市町村の判断に委ねられており、地域特性や利用者ニーズに応じて柔軟に実施されるものとしています。
しかし、杉並区では他自治体と比較しても利用が制限されるケースが多く、利用者のニーズに沿った対応が不十分です。さらに、障害別にも利用に大きな格差があり(下表)、障害者の社会参加を進める上で大きな課題となっています。
質問では、障害別の格差の解消と利用制限を緩和するよう求めました。
杉並区の移動支援事業の実施状況
■申請者数と承認者数(柔軟運用者数)
年度
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25年度
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26年度
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27年度
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申請者数
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998人
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1042人
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1059人
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承認者数
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998人
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1041人
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1059人
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内、柔軟運用者数
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157人
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172人
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163人 |
※申請者数=承認者数となっている。「水際作戦」のように、広く申請を受け付けていない状況。
■障害別の内訳(27年度)
利用者実数
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840人
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全身性障害
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77人
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視覚障害※
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1人
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知的障害
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732人
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精神障害
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10人
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高次脳機能障害
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20人 |
※平成23年より、視覚障害者の移動支援サービスは「同行援護サービス」へ移行。