6月中旬、今年度の国民健康保険料通知が国保加入世帯にいっせい通知されました。
国保料 今年度も値上げ 6日間で千件以上の問合せ
今年度の国保料の値上げは、杉並区議会第一回定例会(2・3月)において、値上げに関する議案が賛成多数で可決されたことによるものです。
党区議団の調査では、今年度の通知に対して僅か6日間で1156件もの問合せが区民から寄せられていたことが明らかになりました。問合せのなかで多かったものの一つが「一昨年と昨年で大きく収入の増減がないのに保険料増の理由」であることを杉並区が説明しています。
■均等割額(介護分含む)の推移
2002年度
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2007年度
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2012年度
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2019年度
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35,100円
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47,100円
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54,300円
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67,800円
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■国保料9年間の負担増(区の資料より)
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年収300万円40歳
夫婦・子ども1人
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年収400万円40歳
夫婦・子ども1人
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2010年度
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173,172円
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249,372円
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2019年度
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366,993円
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450,391円
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増額分
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+193,781円
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+201,019円
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保険料値上げの背景に法定外繰入の段階的削減
収入が増えていないのにも関わらず保険料が引き上げられた背景には、一般会計からの法定外繰入の段階的削減があります。
法定外繰入は保険料の引き上げを抑制するために各自治体が行なっているものですが、安倍政権による廃止方針が示され、段階的な削減が強行されています。
一方、党区議団の論戦により〝国の公式見解として、繰入は各自治体の判断に委ねられている〟ことを区も認め「法的な縛りはない」と答えています。
繰入の継続は、自治体の判断で可能ですが、区は国の言いなりで「段階的縮小・廃止を進める」という姿勢に固執していることは問題です。
値上げ容認の他会派 対案示す党区議団
国保料値上げ議案は、自民・公明等の賛成多数で可決された経緯があり、値上げを容認した各会派の責任が厳しく問われます。
一方、党区議団は値上げの抑制を求めてきました。今年度、歳入全体で92億円程度の増収が見込まれ、増額分の内、4・8%を回せば値上げを抑えることが出来ると提案してきました。
これ以上の保険料負担増を止めるために全力を尽くします。
■第一回定例会 国保料値上げ議案について各会派の賛否
会派
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自民
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公明
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平和
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共産
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自無
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未来
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立民
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杉わ
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美杉
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無
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維新
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す自
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国保料値上げに関する議案
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○
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○
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○
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×
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○
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○
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○
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×
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○
|
×
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○
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○
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※平和(社民党、ネット議員が所属)未来(国民民主党議員が所属)自無(自民党議員が所属)
「骨太方針2019」は大問題 国保料軽減に罰則措置も
安倍政権が閣議決定した「骨太の方針2019」では、自治体に対して国民健康保険への公費削減を迫るものとなっています。高過ぎる国保料を軽減するために市区町村が独自に行ってきた法定外繰入の「早期解消を促す」と強調。繰入削減の"努力"が足りない自治体への交付金の減算(罰金)措置をつくることを明記しました。
負担軽減は自治体の判断で実施できるものであり、罰則措置の適用は許されません。
参議院選挙で安倍政権に厳しい審判をくだすことが必要です。