党区議団の3年越しの提案が実現
今定例会において、党区議団が取り上げ続けてきた区立施設の「エレベーター閉じ込め防止対策」が実現することとなりました。
「杉並区地域防災計画」の被害想定では、首都直下型の地震が発生すると区内で最大25・2%が停電し、閉じ込め事故につながるエレベーターの停止は167台とされています。
実際に2011年の東日本大震災では震源地から離れた東京都内でも84件のエレベーター閉じ込め事故が発生しています。
こうした状況を踏まえ、防災対策の一環として、エレベーター閉じ込め防止対策の推進を議会で訴え続けてきましたが、党区議団の3年越しの提案が実現します。
区の認識の甘さが露呈...大規模停電により閉じ込め発生
この間の議会質疑で、災害対応拠点となる区役所本庁舎のエレベーター閉じ込め防止対策の現状を確認したところ、区は「閉じ込め防止機能は確保されている」と答弁していました。
しかし、本年10月の新座変電所関連施設の火災が原因で発生した大規模な停電では、杉並区役所本庁舎のエレベーターで閉じ込め事故が発生。
さらに、非常用館内放送も使用不能になる等、様々な被害が発生しました。
そもそも、区役所の電力は平常時の本線と停電時の予備線が存在し、本線・予備線が停電になった場合は非常用発電機が作動します。
しかし、10月の停電では本線から予備選への切り替えに異常が発生し、非常用発電機も自動的に動かない状況となりました。結果的には、区役所全体で全電源喪失状態に陥り〝あるはずがない〟としてきた閉じ込め事故などが起こっています。
大規模停電により区庁舎でもエレベーター閉じ込めが発生
※党区議団の富田区議より写真提供。
非常用インターホンも使用できず
議会質疑では、閉じ込め事故が発生したエレベーターでは非常用インターホンも使えない状態だったことが明らかになりました。エレベーター閉じ込めが発生した際、安否確認も出来ない事態は深刻です。さらに、非常用の館内放送設備も使用出来ず、避難誘導等も満足に行なえない状況でした。
速やかに各対策の総点検を
震災時の対応拠点として位置付けられている区役所本庁舎が災害時に機能しない事態は許されません。今回、党区議団の提案の一部が実現することにはなりましたが、引き続き、杉並区の防災・減災対策の推進に取り組みます。