二元代表制の形骸化に...田中区長の議会軽視は問題
田中区長の区政運営において、議会軽視の姿勢が深刻化しています。
来年度(平成29年度)にかけて、杉並区実行計画や杉並区区立施設再編整備計画の改定が行なわれます。両計画とも今後の区政運営の根幹に関わる計画であり、二元代表制の一角を成す議会は計画策定段階から適切に関与することが必要です。しかし、両計画について、全議員を対象とした※全員協議会を開催することもなく、会派毎の個別説明と特定の委員会(総務財政委員会)への報告で済ませ、9月1日からは区立施設再編整備計画に関する住民説明会を開催することが決まっています。
これまで実行計画が改定された際には、区行政から区議会に対し改定案の説明のための全員協議会の開催を要請し、全議員が揃った場所での説明と質疑が行なわれていました。
全員協議会の開催のように、これまで行なわれていた議会運営に関する手続きを省略し、住民生活に大きな影響を与える計画を一方的に進める手法は二元代表制を形骸化させる重大な問題です。
区立施設再編整備計画改定の説明会は9月1日より開催。
※全員協議会
全員協議会は会議規則125条第1項の規定に基づき、区政に関する重要事項・議会の運営に関し、協議・調整を行なう。
二元代表制とは?
住民が直接選挙で、首長と議会の議員を別々に選ぶ制度。日本国憲法93条に定めている。
首長は予算や条例などの議案提出や人事など幅広い行政運営の権限、議会は議案の議決などで首長の行政運営を監視する権限を持つ。相互の役割分担と緊張関係を保ち、自治体のルールを決めていくことが本来の二元代表制の在り方となる。
区長言いなりの杉並区議会 議会の責任も厳しく問われる
この間、大きな問題となっている待機児童解消緊急対策についても、議会へのまともな情報提供が無いまま強行されています。しかし、そのような状態であっても、区長が示す議案には即・賛成で、議会のチェック機能が適切に果たされていない杉並区議会の実態があります。
深刻な議会軽視が行なわれているのにも関わらず、区長言いなりとなっている会派や議員の責任が厳しく問われます。
区長の暴走に対し、歯止めとならない議会の責任を追及することも必要です。