大規模な空地が喪失...前例のない屋上校庭案も
杉一小に産業商工会館と阿佐谷地域区民センターを統廃合する改築・複合化計画を巡り、様々な問題が噴出しています。
この間、区は校庭を複合校舎の屋上に設置する案を採用しようとしています。杉一小用地の大部分に複数の施設を統合し校庭部分を屋上に設置するというものです(下記、計画案)。
屋上校庭には多くの不安要素があります。大幅に高さを制限されるため、児童が球技でボールを高く上げることが困難となり、サッカーや野球などの球技は大きな影響を受けることになります。
安全管理上も様々な課題があります。ボールなどの落下による人身事故や校庭が隔離されるため教職員による児童の安全管理が困難となります。行事の際には、屋上に多数の人が集中することになるため緊急時への対応が求められます。
防災の観点では、校庭の空地(2000㎡超)が喪失するため、大規模災害時の一時避難所としての機能や震災救援所としての役割が失われます。
杉並第一小学校等複合施設整備に係る検討経過~中間のまとめ~で示された配置計画案
開閉式の屋根に5億円
屋上校庭に開閉式屋根を設置する検討も進められており、他自治体の視察(昌平小等)も行われています。
屋上校庭への開閉式屋根の設置は、莫大な経費がかかり、施工費用だけで5億円程度、維持管理経費も含めて莫大な税金が投入されることも懸念されます。
株式会社横川システム建築HP施工実績「昌平童夢館屋上校庭開閉式ドーム」より
拙速な進め方は重大な問題
区は一連の問題点について、まともな検討をしておらず「一時避難所は駅(阿佐谷駅)のロータリーを」などの驚くべき答弁も飛び出しています。
杉一小は耐震化されたばかりで、施設の複合化に緊急性はありません。現行計画には問題が山積しており、計画を拙速に進めることは許されません。