制度開始以来、最大の法改悪...介護保険利用者に大きな負担
杉並区議会第四回定例会で一般質問を行ないました。子ども・子育て支援新制度と介護保険制度改悪に関して、杉並区行政の取り組みを質しました。
介護保険法改定は、制度開始以来、最大規模の法改悪であり、介護保険利用者や事業者に大きな負担を強いることになります。来年度より、介護保険料も引き上げられる見通しであり、制度の根底を揺るがす問題となっています。
第四回定例会で一般質問
要支援者サービスは切り下げ サービス単価も引き下げ
今回の法改悪により、様々な問題が発生します(影響の出る項目は下に記載)。
特に要支援者のサービス切り下げは深刻です。これまで要支援1・2の対象者が利用していた介護サービスは自治体が展開する総合事業に移行されます。総合事業では、専門的な資格所持者による介護が、無資格者やボランティアなどのサービスに置き換えられます。それに伴い、サービス単価も引き下げられるため、事業者にとっても大きな打撃です。
現在でもサービス単価は低く、介護報酬の低さによる介護従事者の離職率の高さなどは大きな問題となっています。しかし、今回の法改悪により、その事態に拍車をかけることにもなりかねません。
※サービス切り下げとなる項目
・要支援者サービス ⇒ 総合事業に移行
本文でも取り上げましたが、事業移行により、要支援者の介護サービスが大幅に引き下げされます。
・特養ホーム入所 ⇒ 要介護3以上に限定
要介護1・2の利用者の特養ホーム入所が制限されます。
・利用料 ⇒ 1割負担から2割負担へ(2倍化)
所得160万円(年金収入280万円)以上の方は、介護サービス利用量が2割負担となります。
・補足給付 ⇒ 縮小・打ち切り
低所得者が介護施設を利用した際に食費・居住費を軽減する「補足給付」が縮小・打ち切られます。
・介護保険料 ⇒ 引き上げ
介護保険料が引き上がります。他自治体の動向では、これまで基準月額5000円程度の負担の場合、1300円程度引き上がる状況です。
自治体の姿勢が問われる
しかし、自治体の裁量によっては、改悪を防ぐことのできる項目もあり、自治体の姿勢が鋭く問われます。
一般質問の答弁では、現時点では、杉並区は来年度からの移行には慎重ですが、具体的な手立てが示されておらず、国の動向を注視している状況です。
引き続き、制度改悪を防ぐために力を尽くします。