区議会決算特別委員会で就学援助の拡充について取り上げました。
生活保護基準引き下げ 連動させずに運用を
本年10月から生活保護基準が引き下げられています。
厚生労働省は基準引き下げに伴い、47の低所得者向けの医療・福祉、年金などの施策で影響が出ることを明らかにしています(下表)。
しんぶん赤旗1月28日付け
今回の引き下げに連動し、小学校や中学校の学用品費や修学旅行費を補助する「就学援助」の認定基準が引き下げられるのではないかと懸念の声が広がっています。
他区の状況を見ながら検討
文科省は各都道府県教育委員会教育長宛ての通知のなかで、各自治体に対し生活保護基準引き下げによる影響が就学援助制度に及ばないよう対応を求めています。
質疑では、この通知を紹介し、杉並区教委育委員会としても、通知に沿って認定基準の引き下げを行なうべきではないと求めました。
杉並区教育委員会は、他区の状況も見ながら検討すると答弁しました。他区の動向に関わらず、通知に沿った対応が必要です。
他区比較でも低い入学準備金 ようやく増額方針示される
杉並区の準要保護世帯への入学準備金は、現在、小学校2万700円、中学校が2万2900円で、近隣区と比較しても低額です(下表)。
準要保護世帯に対する入学準備金額 隣接自治体との比較
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小学校
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中学校
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杉並区
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20,700円
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22,900円
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中野区
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40,600円
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47,400円
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世田谷区
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40,600円
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47,400円
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渋谷区
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47,380円
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54,070円
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これまでも、再三に亘り増額を求め続けてきましたが、区教育委員会は「他区と比べて遜色はない。増額は考えていない」と答弁してきました。
質疑では、準要保護認定児童に対する平成30年度の都区財政調整の単価が改定されたことを指摘。小学校入学児童が2万3890円から4万7380円に、中学校入学生徒が2万6860円から5万4070円に改定されたことを受け、杉並区の対応を問いました。
区教育委員会は、来年度から生活保護基準単価を上限に、改定された財調単価に沿って増額する方向を示しました。
党区議団が粘り強く求めてきた入学準備金の前倒し支給に続き、増額の方針が示されたことは重要な前進です。